伊勢神宮でのNG行為。みんながやっていても真似しないで!

旅行・お出かけ

伊勢神宮には、毎日沢山の人が訪れます。
その光景を見ていると、どうしても気になることがあります。

それは、
伊勢神宮ではやってはいけないことを、当たり前のようにしている人がとても多いということ。

きっと悪気はありません。
まわりの人がやっているのを見て、
「ここでは、こうするものなんだ」と思ってしまうだけ。

でも――
みんながやっているからといって、それが正しいとは限りません。

そんな勘違いをしていないか、一度見直して見ませんか。

五十鈴川に小銭を入れてはいけない

伊勢神宮・内宮を訪れると、手水舎で手と口を清めたあと、すぐに大きな鳥居があります。
そこをくぐって少し進むと、右手に清らかな五十鈴川が見えてきます。

川岸に降りられる場所があり、ここは「御手洗(みたらし)」と呼ばれています。
昔の人たちは、参拝の前にこの五十鈴川で身を清めてからお宮へ向かいました。

今でもここでは、川に体を浸して身を清める禊(みそぎ)の儀式が行われています。
五十鈴川は、まさに“聖なる清めの川”なのです。

御手洗へ行くと、川底にたくさんの小銭が見えることがあります。

おそらく、
「ここにお金を入れるとご利益があるのかな?」

そんなふうに思って、願いを込めて入れてしまう方がいるのでしょう。
そして、それを見た人がまた「ここは入れる場所なんだ」と勘違いして、同じことをしてしまう…。

まるでトレビの泉のように、願掛けの場所と勘違いされているのかもしれません。

でも、五十鈴川は“お願いをする場所”ではありません。
ここは、心と体を清めるための場所です。

お金は「清いもの」ではありません
お金は、たくさんの人の手を渡り歩いてきたもの。
目に見えなくても、いろいろな“気”をまとっています。

そのお金を、清らかな五十鈴川に投げ入れることは、
聖なる川を汚してしまうことにもなってしまいます。

しかも、川に入れられた小銭はそのままにはできません。
伊勢神宮の職員の方々が、川底に入って回収作業をされています。

あの美しい川を守るために、誰かが大変な思いをしている。
そう思うと、胸が痛くなりますよね。

正宮では「お賽銭」をしてはいけない

お伊勢神宮の外宮・内宮、どちらの正宮にも、
実は賽銭箱がありません。

正宮の前の鳥居をくぐると、
「御帳(みとばり)」と呼ばれる白い布がかかっています。
その前で、私たちはお参りをすることができます。

敷居の中には、同じく白い布が敷かれていて、
その上にたくさんの小銭が置かれていることがあります。

それを見て、「ここにお賽銭をすればいいんだ」
と思って、同じように投げてしまう方も多いのではないでしょうか。
けれど、それは本来、正しい参拝の仕方ではありません。

伊勢神宮の正宮は、幣帛(へいはく)禁断とされる特別な場所です。
幣帛とは、神様へのお供え物や、お賽銭のこと。

つまり正宮では、

  • お賽銭を納めること
  • 個人的なお願いごとをすること

は、本来ふさわしくないとされています。

ここは、
天皇陛下と神職の方々が、
日本の国と国民のために祈りを捧げる場所。

私たちは今、特別にその神域へ参拝させていただいている、
という立場なのです。

では、なぜ白い布が敷かれているのでしょうか。
それは、お賽銭を投げ込む人が後を絶たなかったから。

神域を、世の中を巡ってきたお金で汚さないために、
やむを得ず敷かれたのが、あの白い布です。

決して、「ここにお賽銭をしてください」という意味ではありません。

本当は、お賽銭はしてほしくない。
けれど、参拝者の気持ちを無下にできず、
仕方なく“受け止めている”だけなのです。

伊勢神宮には、
お賽銭を納められる場所、
そして自分の願いを祈れるお社が、たくさんあります。

正宮では感謝を。
そして、その先で、想いを託す。

その順番こそが、
伊勢神宮らしい、参拝のかたちなのかもしれません。

三ツ石に手をかざしてはいけない

外宮の正宮の近くに、
川原祓所(かわらはらえしょ)と呼ばれる場所があります。
一般には「三ツ石」と呼ばれています。

小さな石畳の上に石がいくつか並び、
まわりには縄が張られ、結界が設けられています。

ここは、伊勢神宮の遷宮の際にお祓いの儀式が行われる神聖な場所です。

同じように内宮にも
四至神(みやのめのかみ)と呼ばれる場所があります。

ここも、石畳と石、そして縄で囲まれた結界のある場所で、
伊勢神宮の神域を守る大切なお社です。

こうした場所で、

  • 手をかざして「パワー」をもらおうとする人
  • 小銭を置いていく人

を、見かけることがあります。

けれどそれは、神様に対してとても失礼な行為です。
言いかえるなら、神様に向かって手をかざしているのと同じこと。

神様は、パワーを配る存在ではありません
神様は、エネルギーを与える存在ではなく、
敬い、感謝を捧げる存在です。

どうしても心を向けたいなら、
他の神様と同じように、
そっと一礼して感謝を伝えるだけで十分です。

それが、この場所にふさわしい、向き合い方なのだと思います。

ご神木に触ってはいけない

「ご神木はパワースポットだから、触るといい」
そんな言葉を、誰が言うようになったのでしょうか。

けれど実際には、たくさんの人に触られた木の表面は、
黒ずんだり、ツルツルに削れたりしています。

根元も、踏みつけられることで土が固まり、
若い木であれば、命そのものが傷ついてしまいます。

最近では、あまりにも触る人が多いため、
参道沿いの木のまわりには囲いがされ、
触れないように守られている光景も増えています。

本来、ご神木は「触れるもの」ではありません
神社のご神木は、神様が宿る「依代(よりしろ)」とされる存在。

とても神聖なもので、
本来は、気軽に触れてよいものではありません。

昔は、
「ご神木に触れると祟りがある」とまで言われていました。

ご神木は、

  • 神様の依代
  • その神社の神域を守る存在

でもあります。

人の“願い”や“欲”を受け止める場所ではなく、
そっと守られるべき存在なのです。

もし、どうしても
「パワーを感じたい」と思うなら、

  • その木に向かって、そっと手を合わせる
  • 触れずに、少し離れて手をかざす

それで十分だと思います。

触らなくても、
想いはちゃんと届くはずです。

伊勢神宮に来られたことに感謝を…

伊勢神宮は、
願いを叶えてもらう場所というより、
今あることに感謝を伝える場所だと言われています。

ほんの小さな心がけで、
伊勢の空気は、もっと澄んだものになります。

この美しい場所が、これからも変わらず守られていくように。
私たちも、その一員でいられたらと思います。

そっと一礼して、
今日も伊勢に、ありがとうを。

コメント